文系、女性、未経験。だけど「SEになりたい!」、もしくは「わたしでもなれるのかしら」こんな漠然とした不安を感じている方もいるでしょう。
今回紹介する本は、そんな女性の不安を後押し、、、はしてくれないかもしれないけれど、なんだか勇気が湧いてくるような、そんなエッセイ本です。どういうことかというと、内容が結構リアルなんですよね・・・。プロジェクトが炎上して終電で帰れなかったり、会社の人が個性的だったり。
この本を読んで、SEへの転職を決意した女性の方が感想を書いてくれたので、紹介します!
女性、文系(未経験)の方は、一度手にとって読んでみると、具体的なSEのイメージが湧くと思いますよ。
本に出会ったキッカケ
私がSEとなるきっかけのひとつを作った本は、当時住んでいた最寄駅近くの本屋で出会い、その本のタイトルに惹かれ思わず手に取ってしまったものでした。
当時、前職を試用期間の3ヶ月で辞めていた私は、次に何に転職しようか悩んでいたところでした。そのため、次に目指す業界や職業に目星をつけるためによく本屋で色々な人の自伝やエッセイ漫画を読み漁り、そこで色々な生きた方働き方考え方があることを知りました。
その中でも特にエッセイ漫画は内容のジャンルがバラエティーに富んでいるし、漫画になっていて読みやすいのでよく読んでいました。
その中のひとつとして出会ったのが、私がSEになるきっかけになった「文系女子だけど新卒でSEやってます」という本でした。
エッセイ漫画自体は、次の就職先を探るためにジャンル問わず色々読んでいたのですが、タイトルが「文系、女性、新卒(未経験)」とほぼそのまま自分と同じスペックの方の内容だったので、自分にもできるのだろうか?と惹かれるものがあり、読んでみました。
本の人物や内容
その本の内容は、タイトル通り、文系の大学を卒業した女子が新卒でSEの会社に入社したその体験談が描かれているのですが、その体験談がSEである夫から見聞きする内容ほぼそのままで、リアルな内容だったのと、文系女子でも普通に新卒で会社に就職するのと変わらない感覚でSEとして従事している姿が描かれていたので、自分にもできそうな気がしていて読んでいておもしろかったです。
主人公は、至って普通な文系出身の新卒の女の子で、活発な子というよりは若干オタク癖があるような子で、人と関わる仕事というよりは黙々と何かと向き合っていたいと考えているような子でした。そういった文系出身、新卒(私は第二新卒ですが)という未経験、で常にプライベートが充実しているというよりは若干オタクよりの人間といったところが自分と被るところで、読んでいて共感できましたし、そのような自分と似たようなタイプスペックの子でもSEとしてやっていけているところを見て、自分にもできるのでは?自分もやってみたい!と思うようになりました。
内容としては、SEになってからの体験談のようなもので、SEの世界は激務であるとか業界全体がブラックと言われることもありますが、この漫画の主人公は炎上してしまうプロジェクトに縁があるようで、プロジェクトが炎上した際にどのようになってしまうかなども包み隠さず描かれています。
漫画の主人公の会社ではプロジェクトが炎上した際には、若い女子である主人公も終電ぎりぎりまで残ることもあるようですが、それでも炎上に慣れている個性豊かな先輩SEたちと乗り切る姿がコミカルに描かれていて、実際にSEの現場がどのようであるか知ることができます。
SEの方は激務ネタだったりSEネタだったりをネットの掲示板やTwitterなどのSNSで共有していることもしばしば目撃していましたが、改めて漫画という絵とセリフで読めるのはおもしろかったです。
また、この漫画はSEとして働き始めてからの体験談なので、未経験入社の研修などについては描かれていませんが、研修期間を経て、現場に出てから先輩SEたちに教えてもらいながら少しずつ業務量を増やしてもらっている様子が描かれていたので、未経験で文系卒でもこれならできるんじゃないかと感じました。
心情の変化
この本を読んだら、元々興味のあったSEという仕事を自分にもできるんじゃないか?自分もやってみたい!という好奇心とチャレンジ精神がふつふつと湧いてきました。
元々、夫の影響でSEに興味があったので、その影響もあってこの本を読んだことでよりそういった興味が触発されたようにも思います。
また、正直、女性ばかりの保育園や接客業の美容部員といった職業に疲れていた私は、自分と同じような文系の未経験者でありながらこのように黙々とパソコンと向き合える職業に就いている主人公を見て、私もこのように黙々と自分で向き合える仕事がしてみたいとより強く思うようになりました。個人的には女性の職場特有のたわいのない会話や感情といったものが顕著に職場の人間関係の良し悪しを決めるような世界から離れたかったので、男性が多い業界で、たわいない会話や感情よりも仕事そのものの向き合い方だったり、報連相だったり、そういったもので成り立つ業界に魅力を感じるようになりました。
それから、この漫画を読んだあと、これまでもやっていたTwitterやネットサーフィンをしていて見かけるSEの方の書き込みを見てよりSEに対して興味が触発されるようにもなりました。
また、自分の年齢がまだ若いこともあり、例えこの漫画の主人公のように炎上プロジェクトに縁があったとして、帰宅が終電になったり徹夜になったりしたとしても、SEである身近な夫がそのような状況のこともありましたし、子どもができてからではそのような経験はなかなかできないので、自分の人生の経験としても一度体験してみるのもよいかもしれないと思いました。
どういう人におすすめか
この本は、タイトルにあるように「文系、女子、新卒(もしくは第二新卒)」の方のほか、「黙々とできる作業が好きな方、オタク気質のある方」に特におすすめだと思います。
上記で挙げたような方は主人公と共感できる部分が多く、自分にもできるのではやってみよう!とSEに興味を持つきっかけや私のように、SEに転職するきっかけをもらえると思います。主人公も元々は文系大学出身で、将来SEになりたい。思っていたわけではなく、自分がオタク気質で人と関わるような仕事よりは何か黙々と作業をしていられるような仕事がしたいと考えて就職活動をしていた方のようですので、上記のような方であれば、共感を覚えられる部分は多いと思います。また、タイトルにあるように主人公は業界未経験であり、社会人も未経験の新卒でSEになった方です。
若さ特有の描写はありませんが、どちらかというと新卒で就職活動を始めたばかりの学生さんだったり、20代前半くらいまでの第二新卒で転職を考えている方の方がより「自分にもできるのでは?」「自分もやってみたい」といった気にさせてくれるような漫画なのではないかと思います。
また、先述したように、内容としてはSEになってからの体験談が包み隠さず描かれているような内容なので、SEがどんな職業か全く知らずに読んでしまうと、「新卒でも繁忙期は終電?!徹夜?!」と抵抗感が出てしまう場合もあるかもしれません。
そのため、SEが時には帰宅時間が遅くなったり作業量が増えてしまうことも元から知っている上で読んだ方が、SEという仕事に抵抗感なく、読み進められるような内容だと思います。ただ、「SEに興味はあるけどどんな仕事なのかよくわからない。なれるか不安」と感じている方であれば、どんな仕事なのか?未経験者がどのように現役のSEのようになっていくのか?が描かれているエッセイ漫画なので、それらの疑問を解決できるこの漫画は大変おすすめだと思います。
筆者の方も後書きされていましたが、未経験でSEは抵抗だったり不安があったりするかもしれませんが、こうした「文系、女子、新卒」でSEになった人のリアルな体験談を読むことで何かの後押しになったらいいと思います。