営業とSEは全く違う職種に思われる方が多いかと思いますが、実は大事なスキルの部分は似ています。
その大事なスキルが「コミュニケーション」スキル。
電話のスキル、お客様に提案するスキル、円滑な人間関係を結ぶためのスキル。営業で培ったこれらのコミュニケーションスキルはSEとして働く際も大変有効です。
SEはパソコンの前でキーボードをカタカタしている仕事をイメージしている方が多いと思いますが、実態はお客様や上司、チームメンバー、外部のパートナー会社など様々な人たちの間に立ってコミュニケーションを取りながらシステムを作り上げていくことが仕事です。
営業からSE転職を目指すにあたって、必要となるスキル、またSEが具体的にどういった仕事内容かをイメージすることが大事かと思います。
目次
SEに求められるコミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルが必要なことは営業とSEで同じですが、使う場面が若干異なったりします。
SEとして日宇町なコミュニケーションスキルを解説していきます。いろんな人とやりとりしないといけないので大変です・・・。
※ここで紹介するSEは上流工程のSEを想定しています。この辺の用語については以下の記事で紹介していますので参考にしてください。
お客様とのコミュニケーション
まず一番気を使ってコミュニケーションする必要があるのが、お客様です。
営業が取ってきたお客様に対して、
「こういうシステムを作ります。イメージあっていますか?」
「予算やスケジュールはこんな感じですけど大丈夫ですか?」
「こういうシステムできました。試していただけますか?」
といった、システムの作成開始と、終了時には必ずお客様と接します。
一番大事なのは、最初のどういうシステムを作り上げるかといった方向性。たいていの場合、認識が違うままスタートして後で文句言われます。SEとしてちゃんと説明したつもりでもお客様の捉え方が違っているパターンですね。
この認識の違いを面白く表現した風刺の画像があります。左上の「顧客が説明した要件」と2番目の「プロジェクトリーダーの理解」。ここがお客様とSEの認識の差です。
さらに厄介なのが、実はお客様が説明した内容と実際に必要だったもの違うことがよくあるのです(右下)
SEは単純にお客様の説明どおりに作るのではなく、本当の心の奥底で思っている完成形を引き出してあげることもコミュニケーションスキルとして求められたりします。これはかなり難易度が高めの話ですが・・・。
引用:NTD TKS(http://arison.jp/arilabo/arilabo.php?labo=17)
上司とのコミュニケーション
SEはチーム単位でシステム開発を行います。チームのメンバーのことをプロジェクトメンバーと読んだりします。
ここでいう上司とはプロジェクトのトップであるプロジェクトマネージャーを指します。プロジェクトマネージャーはそのプロジェクトの決済権や人事権など、マネージメントにおける最重要な役割を担っているのですが、
お客様とやりとりして決定した(もしくは決定しそうな)事項に関して、なぜその予算で行うのか、なぜそのスケジュールで行うのか、その方向性であっているのか、といった説明が必要になります。プロジェクトマネージャーがOKを出してくれないとプロジェクトが前に進まないため、ここを円滑に乗り切るためのコミュニケーション(プレゼン)能力も大事になってきます。
なんとなく分かってきたかもしれませんが、SEとは板挟みの仕事なのです。
チームメンバーとのコミュニケーション
プロジェクトは基本的には複数人で動いていきます。少なければ数人というケースもありますが、多いと数十人、数百人といった大きな規模になります。
一人で作るのであれば、何も問題は起きないでしょうが、複数人が同時に仕事をするとなると、「あれやった?」「やってない」「え?そこやったの?二度手間じゃん」みたいなワチャワチャしたことが起こります。
しっかりと一人ひとりの役割を明確に決め、横の連携を取りながら進めていかないと、無駄な作業だけが増えプロジェクトが円滑に進みません。
こまめに進捗をチェックしあい、手戻りのないようにお互いの状況を把握しながら進めていくことが求められます。
外部のパートナー会社とのコミュニケーション
プロジェクトを進めるのは社内の人だけではありません。むしろ社内の人たちだけで作るほうが珍しいです。
最近ではオフショア開発といって海外の労働力の安い人へ積極的に依頼してプログラミングやテストを行ってもらっています。つまり場合によっては英語も必要なのです。
とは言いつつ、基本はまだまだ日本人のパートナー会社の方と仕事をすることが多いです。社外なので失礼のないようにするのはもちろんのこと、スケジュールの認識合わせや、システムの方向性の共有、社内独自のルールであったりやり方を教えたりといったことをしなければなりません。
- お客様
- 上司
- チームメンバー
- 外部のパートナー会社
の4者とのコミュニケーションを問題なく進めていくことがSEには求められます。
自分で仕切っている感じはとても楽しいですが、その分の大変さもやはりありますね。
SEに向いている適性
SEの適性は営業の適性と似ているのではないかと思います。
ですので、営業が嫌でSEという選択の仕方はおそらく二の足を踏むことになるかもしれません・・・。
自分の性格と照らし合わせながらSEの適性があるか見てみてください。
好奇心
IT業界は特に好奇心が大事です。同じことの繰り返し、単純作業が好きという人には向いていないかもしれません。
なぜならIT技術の進歩がめちゃくちゃ早いから。
みなさんスマートフォン持っていますよね?「持っているに決まっているだろボケが!」と怒られるかもしれませんが、よくよく考えてみてください。
スマートフォンが登場したのは、2007年です。ほんの10年前に登場したものがこんなにも普及しているわけですね。今やAndroidやiPhoneアプリを開発できる人は重宝されます。
次の10年後は何が登場しているか分かりませんよね。スマホが登場する前は画面をタップするなんて発想は誰も持っていませんでした。未来では今ない技術が次々と誕生するはずです。
その時に、「面白そうだな。ちょっと触ってみるか」と思うか「またよく分からんものが出てきた」と思うのかでSEとしての伸びしろは大きく変わってきます。
間違いなく、新しいものに目を向けシフトしていける人がSEとして向いているということですね。
向上心
ITスキルに天井はありません。知れば知る程、新しく学ばないといけないことは増えていきますし、新しい技術もどんどん生まれていきます。
SEには明確なキャリアが設定されていますが、上がっていけるかどうかは、その人の力量次第です。
特に未経験からSEに転職するのであれば、知らないIT用語も多いでしょうし、新しく出会うことだらけのはずです。
向上心を持って楽しみながらSEとしてステップアップしていかないと、ただキツいだけで辞めてしまうかもしれません。
主体性
主体性はどの仕事でも必要かもしれません。指示待ち人間では成長の幅も限られますし、何より仕事が楽しくないと思います。
SEの面白さは「自分でシステムを作った!」という実感を持てることだと思っているので、出来る限り、先頭に立ち指揮を取りながら進めていくことをおすすめします。
主体性を持って取り組めば、自分に何が足りないか、何を勉強する必要があるか、はおのずと見えてきます。成長スピードが早く戦力になる人材に育ちやすいです。
我慢強い
SEの仕事はハッキリ言ってキツいです。コミュニケーションのところでいろんな人とやりとりする場面を見ただけで、精神的に相当疲れるであろうことは営業の方であればなんとなく想像できるかと思います。
日々、IT技術は進化しますし勉強しないといけないことは山積みです。上司やプロジェクトメンバーに揉まれながら日々仕事を行うわけですが、やっぱりキツくて辞めていく人も多いですね。これはブラック的なツラさではなく、単純に仕事としてのはなしです。
解決策は簡単。あるべき姿を想像して、「絶対にそこまで成長してやるんだ」という強い気持ちで取り組むことです。SEはどちらかというと精神的に強い人が向いています。凹んでもなにくそ!と前を向いて頑張りましょう!
問題解決力
システムに問題はつきものです。お客様から「このシステムに不具合があるんだけど」って電話が日には、プロジェクトメンバーが必死になってお客様優先で解決できるように行動します。
そこで大事なのが、問題解決能力です。問題を素早く把握し、どうすれば最短のルートで解決までたどり着けるかを考える力が必要になってきます。
問題が起きるのは仕方のないことです。問題が起きた時にどういった対応ができるかでSEの腕が見えてきます。ダメなSEはただ時間だけが過ぎていき、優秀なSEは順序立てて時間の経過に合わせるように問題が収束していきます。
営業がSEに転職するために
どんな営業でも話し方は勉強するはずです。直接、教わらなくても先輩のお客様との対応を見て学ぶ人も多いでしょう。
SEに求められるスキルの1つが、コミュニケーションスキル。このあたりは営業で培ってきた能力を十分以上に活かせます。
もう一方で必要なのが、プログラミングのスキルですね。こちらを勉強していけるかどうか。ここはよく考える必要があるでしょう。
一番簡単なプログラミングの適性を図る方法として、何でもいいので初心者向けの本を一冊やってみてください。
わたしがおすすめしているのはやさしいJavaですね。これを一冊できないようであれば、SEには向いていません。初心者向けのプログラミング本をSEへの踏み絵だと思って適性を知る意味でやってみてください。
そこで楽しいなと思えたら、あとはどういうSEになりたいかを面接でアピールできればおそらくOKでしょう。