システムエンジニアは専門職で正直に申し上げると誰にも務まる仕事ではありません。
どの専門職でも同じですが、「適性」が求められます。
SEという職種は、好きで続けている人はどんどんスキルが伸びていきますが、
いやいや続けている人は、スキルが身につくはずもなく、後輩に追い抜かれ精神だけすり減っていきます。
自分がSEに「向いていない」と感じた時に取るべき行動を紹介します。今の立場に当てはめて考えてもらえると幸いです。
目次
SEに必要な適性とは?
まずはSEに必要とされる適性について紹介します。そもそも転職活動を行うタイミングで調査しておくべきことなのですが、イメージだけで入社してしまった方はあまり調べずに転職を決めてしまっていたのではないでしょうか。
SEの仕事は多岐に渡ります。当然、求められるスキルも高くなるのです。箇条書きでSEの適性をまとめました。
- 好奇心がある
- 向上心がある
- プログラミングへの抵抗がない
- 問題解決能力がある(問題を解くことが好き)
- コミュニケーションが人並みにとれる
好奇心がある
IT技術は日々進歩しています。
ノートパソコンが登場したかと思いきや、スマホが登場して全員がインターネットにつながっている状況になりました。
今ある技術が来年も通用する保証はなく、どんどん新しい技術が登場する中で、「好奇心」を持って新しい技術に触っていけるかどうか。
現状維持という言葉好きな人には向いていません。好奇心もって時代の変化に合わせて自分を頭の中をバージョンアップしていける人じゃないとSEとして生き残っていけません。
向上心がある
SEとして出世していく人を見ていると、向上心のある人が多いです。
これはどこの会社でも言えることかもしれませんが、上にいくほど、ポジションは少なくなっていきます。
例えば、システムを開発するためのプロジェクトがあったとして、プロジェクトマネージャーは1人。プロジェクトリーダーは1人から数名。それ以外は平のSEです。
プロジェクトリーダーに上がりたければ、それなりの成果をあげつつ、上司にアピールしていかなければなりません。
平のSEのまま年を取ると、35歳定年説のように、給料だけが高い不要なSEとなりかねません。
もちろん、リーダーなどの管理職でなくてもプログラミングのプロになるといった道もあります。ただし、技術的なプロを目指すにしても当然、向上心を持って勉強し続けることが大切です。
技術職である以上は、向上心を持って勉強し続けないとすぐに置いていかれます。
プログラミングへの抵抗がない
SEとして一番大事なポイントかもしれないのが、プログラミングへの抵抗がないこと。
たいていの場合は研修でプログラミングを教えてくれます。そこに安心して転職前に自分では何も勉強せずに入社してしまう人がいます。もしプログラミングに大きな抵抗があった場合はすぐに辞めていきます。これはSE企業ではよくある話で、新卒で雇ったエンジニアが研修中に辞めていくのです。非常にもったいないですね・・。
プログラミングは本当に向き不向きが分かれます。今SEの人でプログラミングが嫌いならすぐに転職したほうがいいでしょう。
たぶん好きに変わる日はありません。
まだ転職前の人は、まずは自分でJavaでもなんでもいいですが、プログラミングの本を一冊購入し実践してみることをおすすめします。
その一冊すら最後までできないようならSEへの転職を止めた方がいいでしょう。
問題解決能力がある(問題を解くことが好き)
SEという職種は、毎日ありとあらゆる問題が発生します。
システムの不具合から、人間トラブルまでトラブルの種類は多種多様です。そもそもSEの役割は、お客様の業務に関する問題を解決するためのシステムを開発すること。
そう考えると、システムエンジニアの仕事は「問題解決」することと言い換えることとも言えます。
問題に対して、最適で最短の「解」を用意することが求められます。
「スケジュールが遅れそう・・・」で終わるのではなく、スケジュールが遅れないためにどうするかを考えなければなりません。
「システムの不具合が発生しました」で終わるのではなく、まずはどうしたら解決できるかの道筋を示す。そして、同じ不具合が発生しないための再発防止を取る。
こういった問題をちゃんと解決していける能力が必要です。ですから答えを待っているような指示待ちの人間には向いていませんね。自分で答えを導きだせる人が重宝されます。
コミュニケーションが人並みにとれる
SEはプログラミングするだけが仕事ではありません。
メンバーやお客さん、上司とコミュニケーションを取りながら一つのシステムが開発されていきます。
カタカタと基本的にはパソコンに向かって作業していたい人はSEの下位ランクにあたるプログラマーという職種を選びましょう。
営業みたいに並外れたコミュニケーション能力は必要ありません(もちろんあるに越したことはありませんが。)最低限の人並みのコミュニケーション能力があれば、ひとまずはOKです。
人とコミュニケーションを取りたくないからSEになったのに、人との板挟みで苦痛だ、という人が多いです。わたしから言わせればそれがSEの仕事だと思うのですが、世間のイメージするSEと現場は異なるようです。
SEとして働く上で意外と必要となるのがコミュニケーション能力なのです。
SEの適性の調べ方についてさらに詳しくこちらでまとめています。
→ 6割の人はSEに向いていない?転職前にSEの適性を知りませんか?
自分がSEに向いていないと感じたら?
もし自分がSEに向いていないと感じたらどうすべきでしょうか・・・。
経験年数ごとに見ていきましょう。
1年目から3年目
未経験からSEを始めて1年目から3年目の場合は、向いているかどうかの材料がまだ出揃っていない可能性があります。
プログラミングがいやで嫌で仕方ない場合は、この職種や業界を変える必要があります。しかし、そうでない場合は「えいやっ」で辞めてしまうのは危険です。
なぜなら、仕事の全容がまだ分かっていない状態だからです。
SEはプログラマーから入り、テスト、仕様書作成、お客様との調整といったステップを踏んでいける職種です。まだ全部を経験していない状態で、辞めて次に移行とした時に、「それ経験してないのにSEと言っているの?」的なかなりムカつく発言をくらう可能性があります。
もし若い3年目までで「わたしSEに向いていない」と感じたら、上司、もしくは気のおける先輩に相談しましょう。自分の置かれている状況、苦しい場面、など具体的に話すと、「そこは乗り越えられる」とか、「そこの部分は我慢するしかない」とか、「そんなに苦しいなら転職したほうがいい」など、アドバイスをくれるはずです。
自分で決めるよりは、先輩や上司に相談することをおすすめします。
相談もしたくないほど、心が擦り切れているなら今すぐ辞めましょう。
4年目から9年目
4年目から9年目あたりでSEに向いていないと感じたら、おそらくその通りでしょう。
ただし、そこまで続けてこられたのであれば、SEの業務の中でも好きな部分はあったはずです。
次の職場ではその自分が好きだった部分にフォーカスをした仕事を探すことが一番間違いない方法です。
もしSE業務のすべてが嫌になったのであれば、心機一転、新しい職種を選んでみましょう。
10年目以降
10年目以降でSEは向いていないと感じる人は2パターンあります。
1つは、管理職として向いていないと感じるパターン。
もう1つは、プレーヤーとして向いていないと感じるパターンです。
管理職として向いていない
SEの基本的な出世ルートは、システム開発をマネージメントする立場になっていくことです。一般的にはプロジェクトマネージャーと言われたりします。
責任感はプログラマーや一般のSEでいたころより遥かに大きく、人事権やお金に関する部分を任されるようになります。
人を上手く管理してシステム開発を成功に導かなければなりませんし、一日に接する人数や教育しなければならないメンバーも増えます。
これまではプログラミングをメインとしたシステム開発のことだけを考えていればよかった状況から、人を管理しないといけない状況になった時に、「辞めたくなる」人が出てくるようです。
給料や世間的なステータスを考えると管理職で出世していくべきですが、何より大事なのは、心身の健康と継続してできるかどうかです。
もしSEのマネージャー職が向いていないと感じたら上司に相談してプレーヤーで行きたいと伝えましょう。聞いてくれなければ転職を視野にいれるといいと思います。
プレーヤーとして限界
SEはマネージャー職へ出世できない人はプレーヤーとして戦って行く必要があります。
SEの35歳定年説の通り、自分からするといつまでもプレーヤーは肉体的にキツい部分があります。今若い人には分からないかもしれませんが、30歳を超えたあたりから急に疲れやすくなるのです。これまでバリバリ働けていた人も「今日はやたら疲れるな」と感じるようになり、それが慢性的な疲労に繋がっていきます。
プレーヤーとして限界を感じた時の次の選択肢としては、
- フリーランスで時間を自由に使って仕事をする
- マネージャー職を目指す
のどちらかです。
プレーヤーとしてフルタイムがきつくなってきたら自分の体にあった働き方を考えなければなりません。
まとめ
SEに向いていない人の特徴でした。
逆説的に向いている人の適性を紹介しましたが、要は以下に当てはまらない人は向いていません。
- 好奇心がある
- 向上心がある
- プログラミングへの抵抗がない
- 問題解決能力がある(問題を解くことが好き)
- コミュニケーションが人並みにとれる
今のご自身の状況と当てはめてみて、一度立ち止まってゆっくり考えてみてください。