一口にSEと言ってもその範囲ははとても幅広く、専門とする技術分野によって呼び名を変えます。
わたしたちが一般的にイメージするSEってプログラミングでアプリケーションを作る人だと思いますが、インフラエンジニアはその前の基礎的な部分を設計して構築する人のことを言います。
様々なアプリケーションやサービス運用、通信ネットワークの管理などの基盤となる重要な役割をもっています。
では、インフラエンジニアはどういった仕事を行うのでしょうか?仕事内容についてまとめました。
やりがい
インフラエンジニアの基本的な業務としては、お客様のニーズに合わせて、サーバーの通信環境を設計、構築、そして構築後の維持管理まで、終始お客様のインフラ環境に関わり続ける仕事になります。
すべてのアプリケーションやサービスはインフラあってのものであり、インフラエンジニアはすべての基礎となるような存在です。
インフラエンジニアになれば、技術者としてのスキルアップはもちろん可能です。
ネットワークに関する知識、サーバーのセットアップやキッティングについて、機器購入の見積もりから、トラブルシューティングまで幅広く学ぶことができます。 また、インフラ環境の設計から構築の段階では、個人で扱うことが予算的な面でもなかなか難しい最新のハイスペックなサーバーを思う存分扱うことができます。
ただ、何よりやりがいと感じることは、お客様にご満足いただける環境を構築し、お客様が日々利用しているアプリケーションのパフォーマンスやサービスが飛躍的に向上し、業務への最高のインパクトを与えられる瞬間ではないでしょうか。
アプリケーションサイドから見るとUIが変わるわけではないので地味に見えるのですが、担当したお客様より 「パフォーマンスが格段に良くなった」 とか 「おかげさまで稼働が安定している」 などのお褒めの言葉を頂いた時、とても満足感を得られると同時に、
よりよいサービスを提供できるエンジニアになろう!と強く感じるものです。
インフラSEの仕事内容
インフラエンジニアの仕事は、お客様からの一声から始まります。
「現行システムのストレージの容量が不足していて、今後の運用に耐えられない」
「利用者数が増えて、現在の Web サーバーの増築が必要」
「既存アプリケーションの保証期間が切れるため、新しいバージョンへ更新が必要。同時にサーバーのアップグレードも必要」
など、要望は様々です。
その要望をヒヤリングしたら
「要件定義」 つまり要望を満たすための機能、スペック、要件、作業範囲などを定義いていきます。
要件が決まると次は 「設計」 を行います。
設計ではスペック、予算、責任範囲、プロジェクトの期間(WBS)、担当者など、より細かい取り決めと計画をしていきます。
設計の段階では、現行環境の設計書の精査、事前に検証環境を自社で構築して、設計書や構築手順の精査、お客様との定例(課題やスケジュールの進捗状況などを話しあう)なども含まれています。
設計が終わると 「構築」 が始まります。
構築はビジネスインパクトを考慮して、負荷の低い休日にメンテナンス日として行われることが多いです。
インフラエンジニアとしては、この構築もしくは移行フェーズがもっとも緊張します。
それは、もし設計通りに構築そして新環境への移行ができなかった場合、
お客様が利用している現行のサービスに大きな影響をもたらしてしまうからです。
もちろん何か起こった場合のトラブルシュートや切り戻し手順は準備していますが、それが100%うまくいくわけではありません。
設計通りに新規環境が構築されて
翌営業日に支障なくサービスが運用されることがインフラエンジニアの腕の見せ所かと思います。
構築が完了すると、成果物をお客様に提出、検収で完了になります。
その後、新環境を運用中、何か問題が発生した場合のアフターフォローも行います。
どんな勉強が必要?
主に実戦から学ぶことが多いですが、サーバー機器や通信機器などの機器類の知識、利用するOSやアプリケーションについても知識をえておく必要はあります。また、トラブルシューティングで活躍するネットワーク通信、パケット解析などができると強いかと思います。
資格の種類
資格として有名どころといえば、
CCNA(Cisco Systems社による技術者認定資格)、CCNP(CCNAの上位)、CCIE(CCNPの上位)、LPIC Level1~3, ORACLE MASTER など様々です。ご自身のキャリアパスをまず見直して、どの資格が必須であるかを考えることが第一かと思います。
年収を知りたい
平均年収だと 456万円 (転職サイト Find Job (http://www.find-job.net/income/shokushu-0-103/) 参照) のようです。ただ、フリーランスとして働くのであれば、月収 50 – 70 万と、スキルや案件によって異なってきます。
インフラエンジニアの将来性
インターネットの普及に伴い、中小企業を中心としたインフラの設備の需要が増してきていることは事実です。
また、利用しているアプリケーションの定期的なアップグレードや社員数の増加は継続して発生するため、インフラエンジニアへの需要はこれからも継続的にあると思います。インフラが設計通り、信頼性高く運用され続ければ、需要は減るかもしれませんが、現時点においては、インフラの安定性は中々向上せず、企業規模に比例して、トラブル件数も増加しているのが現実です。